ボリンジャーバンド(Bollinger bands)はFXの投資判断をする際のテクニカル指標の1つで、1980年頃にジョン・ボリンジャーが考案した指標であり、価格の変動は一定のバンド(帯)の範囲内に収まるという統計学の考え方を基本としています。
よって価格変動の勢いの変化や方向を見る指標として使われています。
ボリンジャーバンドの見方
ボリンジャーバンドでは全体の基準となる移動平均線と上下に標準偏差σ(シグマ)の分だけ離れた線から構成されています。移動平均線から標準偏差分乖離した線を±1σ、標準偏差の2倍分乖離した線を±2σと呼び、価格の値動きが激しい時には標準偏差が大きくなるためバンド幅が大きくなり、値動きがほとんどない時は標準偏差が小さくなるためバンド幅が小さくなるという特徴をもちます。
統計学的にボリンジャーバンドの±1σの範囲内に収まる確率は約68.3%、±2σの範囲内に収まる確率は約95.4%、±3σの範囲内に収まる確率は約99.7%です。つまり、ほぼ100%の確率で3σのボリンジャーバンドの上下のバンドを大きく突破することはありません。
ただ、必ずボリンジャーバンドの範囲内に収まるわけではない点に注意が必要です。戦争や金利政策など急激な状況変化の場合には価格変動がボリンジャーバンドを突破することがあります。
最近では2015年1月にスイスが「フラン売り・ユーロ買い」無制限為替介入を突然中止し、1ユーロ=1.2フランに設定していた上限を撤廃しました。これによりフランが急騰し、価格変動がボリンジャーバンド幅を大きく突破する事態となりました。
FXの投資判断として活用する際には、逆張りで判断する場合は、価格の変動がボリンジャーバンド±2σの範囲内に収まる確率が高い特徴を使います。価格が上下のバンドに接触した場合に、高い確率で反発することが想定されるとして取引を開始すると言った判断です。上のバンドの接触した場合には売り注文を、下のバンドに接触した場合には買い注文を出すことになります。
また順張りの場合はバンド幅が狭い状態が一定期間が続き、その範囲で小動きを繰り返した後、一定方向に勢いよく動き出した時にその方向にエントリーする方法です。この場合は広がり出したバンドが再び収縮する時が利益確定のポイントとなります。